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イラストを使用したプレゼンムービー 制作過程9~ブラッシュアップしていく~

前回までのエントリーで動画の作成過程を説明しましたが、ここでスケジュールの話に
戻ります。

まず、この動画の作成期間は約一ヶ月でした。
そのうち三週間を実作業期間とし、その間に「7~8割の完成度」を目指します。
この場合の「7~8割の完成度」は、動画として最後まで構成のあるムービーになっていて、
人に見せることが出来る状態のもの、を指します。
あからさまな作業中の部分や、未作成の「抜け」のない状態です。

そのためには、はじめからディティールにこだわって1カットごとのクオリティに固執しな
いことが肝心です。
1カットにの出来が素晴らしくても、途中の構成に抜けがあっては全体の流れが見えませんし、
人に見せても意図が伝わりません。

今回の動画では、少々期間がずれこみ三週間半ほどで「7~8割の完成度」にたどり着きま
した。
この段階では、
■オープニングと憧れから現実へ→ほぼ完成状態
■キャラ紹介部分→最奥の背景とキャラ、テキストアニメーションのみ
■イベント部分→背景はフェード切り替え、細かいアニメーション調整無し
■シャッフル部分→イベント絵のまま使用
■大階段とエンディング→エフェクト無し、タイトルアニメーション無し
という状態でした。

上記内容で、だいたい最終版の7~8割の完成度だと思います。
自分の頭の中に「最終完成イメージ」が無いと、その時点の動画の完成度を判断できない
ので、「最終完成イメージ」をきちんと持ちつつ、まずは「7~8割の完成度」に持って
いき、全体のバランスを見ながら個々のカットのクオリティをあげていくのが良策です。

そしてここからがブラッシュアップ作業になります。

作業手順としては、まず明らかに足りないデザイン素材、エフェクトを追加します。
動画の完成度が低く見える場合は、まず「足りない」「さびしい」印象になることが多い
ので、はじめは「盛り」ます。

次に、全体を通して見て、一部だけ突出して演出過剰に見える部分や色味がなじまない部分、
などを「そぎ落とす」方向で調整していきます。
素材が多すぎるところは減らし、強い色は抑え、余計な演出は省きます。

そこまで動画を構成する「素材」を整理できた段階で、モーションの調整をします。
曲のタイミングと気持ちよく同期しているか、動きにバラつきを感じないか、途中におか
しなフレームが含まれていないかなど、何度も繰り返し見て確認します。
個々のカットだけではなく、動画全体を通しての「緩急」のバランスにも注意を払って
ください。最後まで飽きさせずに魅せる動画を作るためには、動きの速さのコントロール
が重要です。

最後に、動画を通しての「質感調整」「色調補正」を行います。
今回はほとんど入れていませんが、フィルム風にするためにノイズを入れたり、画面四隅を
暗くしてケラレを演出したり、ブラーや色調補正で動画の「ルックス」を整えます。

全体を通して見て、おかしな不具合のあるフレームが1フレームも無ければ、完成です。

今回は多少締め切りが延びたので一週間+3日ほどブラッシュアップ期間がとれましたので、
想定したブラッシュアップをほとんど入れることが出来ました。
このブラッシュアップも、「7~8割の完成度」からいきなり「完全な完成形」に持っていく
のではなく、「7~8割の完成度」→「8~9割の完成度」→「9割~完成形」と段階を踏むのが
ベストです。

ブラッシュアップ段階では、いつ人に見せてもいいように、それぞれの段階のレンダリング
をしておき、不測の事態に備えておくことをお勧めします。
予定より早くプレゼンすることになったり、提出が早まったりすることはよくありますし、
最終締め切り前に作業進捗として「ある程度完成しています」という状態のものを見せる
ことが出来ると、「こやつ、なかなかやりおる」という評価を受けられます。

以上が、イラストを使用したプレゼンムービー動画の作成過程の説明です。

この説明はあくまで一例であり、これが正解というわけではありませんが、動画を作る作業の
流れとしてはよくある事例だと思いますので、参考にしていただければ幸いです。

限られた時間に勢いで書き上げましたので文言や表現に統一がとれておらず、乱文ではご
ざいますが最後までお付き合いいただきありがとうございました。

改めて自分の作業過程をまとめるというのは、自分でも良い勉強になりました。
今後も機会があれば続けていきたいと思います。

イラストを使用したプレゼンムービー 制作過程8~〔続〕全体のバランスを考えつつ仕上げていく~

動画後半の作成過程の解説を続ける前に、ちょっとしたデザイン素材のまとめ方のコツ
をご紹介します。
デザインを起こして画面に配置したら、エフェクトの色調補正→色抜きを適用し、色抜き
量を100%にしてモノクロで画面全体のバランスを見てみてください。
色彩構成など色と画面・空間構成の勉強をされた方なら周知のコツですが、色彩を構成
する際は、色味とは別に明度と彩度のバランスをとるとまとめやすくなります。

今回のキャラ紹介カットを例に説明すると、画面で一番見せたいモノはキャラなので、
背景は全体的に彩度を下げてやわらかい色にし、コントラストも弱くしてキャラより
目立たないようにしています。
モノクロにすると色味に惑わされず彩度とコントラストのチェックが出来ます。

movie_06

手前のものはくっきりはっきり、遠くのものはぼかして描くことで遠近感を演出する
デッサンのコツと同じで、目立たせたいものはコントラストをはっきりとさせ、目立
たせたくないものはコントラストを弱めにすると、たくさんの色でカラフルな画面構成
にしてもごちゃつきません。

引き続き動画後半の作成過程の解説を続けます。

【メイドの日常】00:52~01:16
キャラの日常のイベント絵が連続する演出なので、イベント絵のスイッチのタイミング
に大きなカメラアクションを入れてテンポと流れを構成しています。
イベント絵をいきなり全部見せてしまうと単調になるので、カメラの場面スイッチングの
後はまずキャラの顔に寄り、それから全体を見せるカメラワークを多用しています。

キャラ絵とテキストは3Dレイヤーで空間に配置し、その間をカメラが素早く移動して
いるのですが、あまりにも空間を感じる構成にしてしまうと建て看板状のキャラ絵が
安っぽく見えてしまってもったいないので、メイン背景は2Dレイヤーのままでトラック
マットを使用したイメージのスイッチングをカメラに合わせて行っています。

■イベント絵1 花瓶倒しそう
ここはイベント絵の冒頭なので、インパクト重視で流れを構成しています。じゅんさんに
花瓶だけ別レイヤーで作成してもらい、基本は倒れそうな花瓶の動きとテキストモーショ
ンで演出を作っています。

movie_07

■花瓶が割れたエフェクトカット
花瓶が割れたことを「花瓶が割れる瞬間の絵」や「花瓶が割れるアニメーション」無しで
効果的に状況がわかるようにするため、漫画的な「エフェクト効果」をクッション的に
入れています。
80年代のアニメや漫画でよく見たぶつかった後に星が飛び散るイメージです。

movie_08

■イベント絵2 花瓶を壊して怒られる
まず割れた花瓶を見せ、そこから「怒っているキャラC」のアップに移り、その次に
「しまった~という顔のキャラA」のアップを見せて最後に全体が見えるようにカメラを
移動させています。
怒られているキャラAの腰の引けた感じを出すためにキャラAは後ろに少しずつスライド
させ、それ以外の動きは冷や汗、ガミガミなどの感情表現記号とテキストのモーションで
構成しました。

movie_09

■イベント絵3 お料理対決
このカットは冒頭に一気に場面が構築されるアニメーションを入れて全体像を見せてから、
オムライスを失敗したキャラBは気落ちして徐々に小さくなり、そのとなりで本来は小柄
なキャラCが得意満面で鼻高々になるイメージで大きくなる(上へスライドする)動きを
いれ、対比で状況がわかるように構成してあります。
状況を対比で見せる場合は、このような真正面からのわかりやすい構図が効果的です。

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■イベント絵4 勝手に人のベッドで寝てしまう
ここは一瞬ですがキャラAのお尻のアップというセクシーショットから始まり、そこに
キャラCの怒りのセリフが大きく乗ることで「大声」感が出るよう構成しました。
さらにキャラCが大声で怒鳴る様子を、頭部の拡縮とイベント絵2よりも大きなガミガミ
記号で表現し、イメージを誇張しています。

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【シャッフル】01:16~01:17
じゅんさんに描いて頂いたキャラの顔だけをレースのリングで囲んだ素材を複数用意して
場面転換のインパクトを出しています。
イラストをそのまま使うと、一瞬しか見えなくても使いまわし感が出てしまうので、デザイン
素材として組み直しました。

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【大階段~セピア~】01:17~01:26
今までのにぎやかでスピーディな流れから、一転して静かな演出に移ります。テキストも
大きなモーションはさせず、画面全体がゆっくりスライドするだけの演出にしました。
セピアに加えて、背景を窓以外からの光がない少し薄暗いイメージにすることで、静けさ
と寂しさを出しています。
「ありがとう」というセリフでセピアだった世界が色付き、レンズフレアと光の拡散で
ホワイトアウトします。

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【大階段~タイトル~】01:26~01:36
セピアの寂しげな大階段から、一瞬のホワイトアウトの後、一気にキャラの笑顔と光が
あふれるイメージにスイッチして、落ち着いた画面演出ながら清々しいイメージを出し、
物語の余韻を演出しています。
そこにタイトルが入ることで、タイトルの印象を明るいものにし、「もっとこの娘達の
物語を見たい」というイメージにつながるよう構成しました。

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以上が各カットごとの解説です。

次回はアニメーションの緩急とブラッシュアップの仕方などを総括的にまとめたいと思い
ます。

イラストを使用したプレゼンムービー 制作過程7~全体のバランスを考えつつ仕上げていく~

動画の構成も決め、デザインの方向性も決めたら、後はもくもくと実制作作業を進める
のみです。
モーショングラフィックス主体の動画を作成する、という作業はここからが本番という
面もありますが、ここまでの作業を疎かにすると、テイストや演出がカットごとにブレて
収拾がつかなくなる恐れがありますので、実作業前に方向性は定めておいたほうがよいと
思います。

今回は短い動画ですので、カットごとの作成も最終編集もAdobeのAfter Effects CS4を
使用して一気に作成しました。
以下の動画作成過程はAEの機能を基準に解説しますので、AEをご存じない方には少々
わかりにくいと思いますが、ご了承ください。
また、AEのTutorialやTipsはほとんどありません。
TutorialやTipsに関してはすばらしいサイトがいくつもありますので、そちらを参考に
なさって下さい。

 【オープニング】00:00~00:17
キャラAの憧れというか妄想のカットなので、具体性がなくてぼんやりとした感じを出す
ためにキャラはキャラクターデザインの際のキャラ絵のシルエットを使い、構図も中央
配置であまり遊びがない演出にしています。
正面からだと平面の構図ですが、3Dレイヤーでデザイン素材とテキストを前後に配置し、
絵が掃ける際に少しだけ立体感を感じるようにイメージの箱庭的な組み方にしました。 

movie_01<

【憧れから現実へ】00:17~00:26
前回のエントリーでも触れました主人公の「素敵素敵!キャー!」という妄想の雄たけび
が倍々に増えていき、夢から現実に引き戻された瞬間に画面を暗転させテレビの電源が
消えたようなSEを入れることによって、一気に場面転換を図っています。
黒背景に出てくるテキストは、Kinetic typographyらしく3Dレイヤーで箱状に組んだり、
天地を反転させたりしています。
「間違えた!?」だけきちんと認識できれば良いので、他は結構早い動きになっています。
カメラの被写界深度を使っていますが、カメラアニメーションはありません。

movie_02

【各キャラ紹介】00:26~00:52
キャラクターデザインに合わせ、キャラごとにメイン背景色やセリフの色とフォントなど
を決め、それに合わせて背景の細かいデザインパーツを組み合わせて、画面が止まらない
ように常に何か動きがあるように組みました。
キャラが出現して状況がわかるセリフを足早に畳み掛ける、という基本の構成が3回連続
する演出です。

キャラ名は伏せたのですが、キャラのセリフ内に数箇所キャラ名が出てきます。
(キャラAがあかり、キャラBがみどりです。)下の名前だけでしたら問題がなさそう
ですし、バランスがおかしくならないようにこちらはあえて残しました。
各キャラごとに、結構細かい差異をつけて構成してあります。

■キャラA
元気良く画面手前から出現。テキストやデザインパーツも画面手前から出現し、考える
前に行動してしまうトラブルメーカー的なイメージで構成。
背景のコラージュは大あじな柄を中心にアクティブなイメージで。

movie_03

■キャラB
画面下や画面後方からスィッと出現。控えめで人に振り回されがちなイメージにするため
テキストやデザインパーツは上から落ちてきて、それらに押し切られるような構成。
背景のコラージュは繊細なモチーフを多めにし、やわらかなイメージに。

movie_04

■キャラC
画面上部方向からえらそうに出現。テキストやデザインパーツはサイドからスライドで出現
し、てきぱきとしたスピーディな印象の構成。
先輩ではありますが一番年下という設定なので、身長以外でも幼さを出すために背景コラ
ージュはややビビットな色の組み合わせにし、子供っぽいイメージで。

movie_05

最後のキャラCの「甘くないから覚悟しなっ!!」というセリフは、残響で次につなげる
イメージで、Z方向に複製が重なるようにしました。

各キャラ共通で最背面に配置している踊る花のモチーフ部分は、こちらのサイトの作例62
をベースに、エクスプレッションの数値などを調整して作成しました。
バカ・アフター 
作例62:振幅
(バカ・アフター管理人様、データの使用許可、誠にありがとうございます。)

キャラ紹介部分は全体的に非常に早いので、一度動画を見ただけでは全部のテキストは
読めないと思いますが、半分はにぎやかしの部分もあるのである程度読み取れればOKと
して構成しました。

次回に続きます。

イラストを使用したプレゼンムービー 制作過程6~デザインや演出の方向性を決める~

デザインをどうまとめるか。
ここまでに決まっているキャライメージとコンテンツの内容を踏まえて、キャラクター
が活き活きして見えるようなカラフルで明るいイメージがいいな、程度は考えて然るべき
ですが、この段階ではまだ詳細なテイストや色彩計画は立てていません。

さらに、アニメ系のキャラクターイラストを使った動画なので、やはりアニメ系のお約束
などがあるなら、それもチェックしておいたほうが良さそうだと思いました。
この場合のお約束とは、定番の手法やよくある構成のことです。
その演出が選ばれるには意味があると思うので、デザインをまとめる際の参考になりそう
だからです。

そこで、今回は女性キャラがメインなのでギャルゲー・エロゲーのOPを片っ端から見て
いきました。大体50本くらいは見たと思います。
そうすると、アニメ系のイラストを動画としてまとめる際の傾向とお約束が見えてきま
した。

ただ、動画の構成や内容をつめる前にこれをやってしまうと、結局丸パクリ、になって
しまう危険がありますので、意識的に影響されすぎないように注意が必要です。
手法を自分なりに消化して新しいイメージを作っていくのと、トレースしたように同じ
ものを作ってしまうことは、まったく違う行為です。
感覚的にいうと、「こういうのよく見る」と思われるのははOK、「あのシーンのパクリ
じゃない?」と思われるのはアウトです。

あとは、取り入れる量ですね。
定番を取り入れるのはなじみやすさがあるので悪いことではないんですが、全部見たこと
がある演出だと結局単調になってしまいがちです。

今回取り入れてみることにしたのは以下の定番手法です。

1:チェック、水玉、星柄、ハート柄など、ローティーン以下の女の子向けの雑貨にある
  タイプの定番柄を、パステルカラー・原色などにごりの無いきれいな色で背景に使う。
⇒おそらくデザインに元気でにぎやかなイメージを出そうという狙いと、デザイナーが
 男性の場合が多く、男性向けの商品としてのアピールのためわかりやすい色・柄に
 なっていると思われる。
 女性向けのコンテンツや若い女性向けの雑誌ではこういうデザインのまとめ方は少ない。
 背景デザイン素材の共通項として取り入れました。

画像

2:ひとつの絵が2つになり、4つになり、8つになり…と倍々に増えつつ画面を埋める演出。
⇒少し古い作品に見られる。おそらく素材の少なさから尺の間を埋める為に用いられて
 いたものだと思われる。これを使うのは少々あざとい気もするが、それっぽさは出そう。
 これは動画の00:17s~で、妄想から現実に引き戻される際の徐々に視野が広くなって
 冷静になるイメージの補足に使ってみました。

3:キャラ絵の下にシルエットを残し、キャラ絵のみわずかにスライドさせる演出。
⇒これは日本のアニメの定番手法で、いまだによく見かける。キャラを止め絵にしない為
 ごくゆっくりスライドさせる、などの動きを入れる際に、シルエットとの対比で動いて
 いることをわかりやすく見せるために用いられている。
 各キャラの紹介部分で取り入れました。

4:キャラの漫画的な演出。冷や汗を流す、感情に合わせて顔が大きくなる、怒った時の
  記号や、一時的な等身の変化(SD化)
⇒主にイベント絵の演出で取り入れましたが、SD的な顔や怒りマークはキャラ紹介でも
 取り入れています。

キャラの漫画的な演出で使う素材はじゅんさんに追加発注し、それ以外の素材は動画の
ブラッシュアップと平行で作成していきました。

動画内で素材をどう使うかは、動画を作成する人間が一番わかっているので、可能なら
デザイン素材は自分で作るのがベストだと思います。

次は、カットごとにどう仕上げていったか、についてまとめていきたいと思います。

イラストを使用したプレゼンムービー 制作過程5~動画の仮組みを作ってみる~

デザインの前に、コンテの流れを元に動画の演出を決めていきたいと思います。

おおよその動画の構成が決まった段階で、キャラの名前と使用楽曲が上がってきたので、
イラストの下絵とあわせて動画の仮組みをしてみました。
ビデオコンテですね。
動画の流れや尺感を確認し、この動画のコンポジットを使って素材を差し替えつつ
最終的に仕上げていくことになる動画の基礎組みです。

まずイラストの下絵とキャッチコピーで動画を組んでみたのですが、曲に歌詞が無いので
一般的な楽曲PVなどに比べるとわかりにくいため、キャラのセリフをテキスト表示して
補完することにしました。

動画の流れとキャラ設定を組み合わせ、それぞれのキャラのセリフを考えていきます。
シナリオライターがいればお願いしたいところなのですが、もちろんいないので自分で
やるしかありません。

大体のセリフをまとめて企画原案のプランナーの了承を取り、動画の仮組みに乗せていき
ます。
今回はキャライラストが静止画なので、キャラが動かない分、他でにぎやかさやテンポを
作っていく必要があります。そこで、キャラのセリフは
Kinetic typography(キネティック タイポグラフィ)
という手法を使うことにしました。

ちょうど三年くらい前によく見かけたというのもあるのですが、文字を非常に動的に
用いるので、面白いイメージが作れそうです。
また、動画をプレゼンする場ではどんなハプニングがあるかわからないので、音が流せな
かったり音量をあげられなかった場合でもある程度伝わるようにテキストを盛り込んで
おいたほうがよいという点も考えました。

そういった意図で作った仮組みが1つ前のエントリーのこちらです。

temporarily assembled:The presentation movie using an illustration

 

本来こういう過程はあまり人に見せないので、割と自分だけがわかっていればいい的な
雑なつくりであることが多く、人にお見せできるものではないのですが、今回は過程を
説明するのが目的なので公開します。

大きな流れは最終版と同じですが、OPの絵や曲の始まるタイミングなど、その後の調整で
ブラッシュアップしていった部分に違いがあります。
次回はこれを見ながらデザインの方向性を決めていきます。

 

動画

temporarily assembled:The presentation movie using an illustration

イラストを使用したプレゼンムービー 制作過程5~動画の仮組みを作ってみる~ で説明する動画の最も初期の仮組み。

イラストを使用したプレゼンムービー 制作過程4~動画の構成を考える~

そろそろ動画の構成を考えていきたいと思います。

本来であれば、脚本なりアイディアからコンテを起こして素材を発注するのが普通なの
ですが、今回はコンテを練る間に素材の作成進行が滞らないように少々変則的な過程で
進めました。

前回のエントリーでは文章のみでイラスト内容の指示などを書きましたが、実際は簡単な
ラフで構図の指定もしています。
これは変則的な方法をとる場合、ある程度自分で収拾がつけられる目算をつけておかねば
ならないからです。その目算とは、大体こういった素材があれば、起承転結のある動画の
構成が作れる、という自分なりの経験則に基づく判断です。

ちなみに、イラストを発注する前に大まかな構成をまとめた企画コンテ、というか、要素
並べただけの資料がこちらです。

画像

画像

画像

基本こんなイメージで進めますよ、という社内了承を得るための資料です。
(没になった部分はグレーになっています。)

この段階では発注した素材のみでまとめるとこうなります、という程度の構成なので、
明確な起承転結はありません。あるのは、OPでセピアだった絵をEDでフルカラーにする、
という「起・承・結」です。
このまま動画を作ったら、とても単調で退屈なものになりそうです。
じぶんでもこれはやっつけすぎでひどい資料だと思います…。

実際はこれではあまりにも絵が持たないので、発注したイラストの組み合わせ+追加の
デザイン素材を自分で作る方向で動画構成を再検討しました。

今回はプレゼンムービーなので、プランナーや営業が一通り企画について説明した後に
イメージの補足としてムービーを見せることになります。
そのため、クライアントにより興味を持ってもらう、続きを見たいと期待を持たせる、
そんなイメージの膨らむ内容で、予告編のような構成を目指すことにしました。

そこで考えたのが以下の構成です。ほぼ最終ムービーと同じです。

【起】
メイドカフェに憧れるキャラAの独白、あるいは妄想から、間違えて本当のお屋敷に
応募したことに気が付くまで。
ここで小さな「転」を入れて、キャラ紹介冒頭にインパクトを持たせる。

【承】
「起」の流れを受け、キャラの個別紹介に
キャラA:間違って応募したバイトで採用されちゃった!
 ↓
キャラB:付き合って一緒にバイトすることに!
 ↓
キャラC:A・Bの教育係に!
というストーリーを持たせ、そこからドタバタとにぎやかなメイドの日常をイベント絵で
みせる流れ。
終盤にいくにつれて盛り上げ、最後はイベント絵などのイメージをシャッフル的にたたみ
掛けて、一気に「転」へ突入させる。

【転】
「承」までのカラフルでにぎやかなイメージから一転し、セピアで引きの構図に、無表情な
キャラがいる。そこに、屋敷の主人と思しき人物の声が優しく入って、光のフラッシュ
で「結」に繋げる。

【結】
「転」でのセピアの引き構図から、一気にフルカラーのアップになり、キャラの明るい表情
に乗せてタイトルを表示。物語の余韻を残し終了。

尺は大体1分30秒程度でまとめる予定です。

ここで「起承転結」のみを考えて構成してしまうと、つまらない四コマ漫画のようになって
しまいます。見た後に「で?」と言う言葉が出てきてしまうような。
それを避けるため、見ている人が飽きないようにちょっとした感情曲線の起伏を取り入れたい
と思い、「お?」と思わせるタイミングを「転」以外にも設けています。
また、にぎやかなコメディ感を出しつつも、最後はチルアウト的な静かな演出に持っていき、
見る側の落としどころを設けました。

動画の構成がほぼ固まったところで、次は、演出をデザイン的にどうまとめていくかを考えて
いきます。